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2006.01.05

ハリー・ポッターと炎のゴブレット

締切5日前にして卒論に飽きてきたので、年末に観た映画のレビューを書いてみた。次に観るための参考にでもどうぞ。

『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』(監督:マイク・ニューウェル)

うーん。評価に迷う映画だなぁ。いや、おもしろいよ? そりゃね、ここまでエンターテイメントを極めた作品は過去にないってくらい豪華だもん。物語は休むヒマもなく前へ前へと突き進んでいくし、相変わらずCGにはべらぼうな金をかけてることがわかるし、小学生が観たら3時間ずっと喜んでいそうな勢いの映画だと思う。

でも、ぼくはこれを心の底から賞賛する気にはなれない。

勘違いしてほしくないんだけど、これは「娯楽映画すぎるからダメ」ということじゃない。むしろ、ぼくはハリウッド製の娯楽映画がとっても大好きで、フランス製の(監督の公開オナニーとしか思えない文学だの哲学だのをあからさまに手抜きの脚本と演出で延々と語り続ける両生動物のクソをかきあつめた程度の価値もない)映画は吐き気がするほど大嫌いなので、その点は安心していただきたい。おもしろい映画ならおもしろいという理由だけでぼくは絶賛するし、つまらない映画ならどんな崇高な哲学を持っていようとクソであることに変わりはない。

その前提を踏まえた上でもなお、ぼくはこの映画のおもしろさを素直に認められない。繰り返しになるけど、おもしろくないわけじゃない。確かにおもしろいのだ、この映画は。でも、それは決してストーリーに引き込まれるタイプのおもしろさじゃない。むしろ、その場その場のアクションやCGが凄いせいで、ストーリーはわからないけど無理矢理おもしろいと思わされている、という感覚に近かった。

冷静に考えれば、この映画はよくわからない展開の連続だ。ぼくの理解力がないだけ、と言われてしまえばそれまでなんだけど、たとえば、冒頭の幽霊屋敷っぽいシーンの意味は最後までわからなかったし、ワールドカップのテント村が襲撃された理由もよくわからないし、三大魔法学校の対抗試合が開かれるのはわかったけど、ハリーとチャイニーズっぽい女の子との絡みもいまいちわからない(映画が終わったあと、近くの女子高生が「あれがハリーの初恋らしいよ」と話しているのを聞いて「えぇ?」と思った)。んで、どうして最後はいきなりあんなとこにワープしてんの? いろんなところがわからない。

ただ、帰り道で彼女と感想を話し合っているうちに、なんとなく作品の性格はつかめた。要するに、この映画はびっくり箱の連続なのだ。とりあえず、三大魔法学校の対抗試合っていう全体的な流れはあるんだけど、作中で重視されているのはストーリー進行のなめらかさではなく、そのシーンごとにいかにびっくりさせて、おもしろがらせるか(その陰でどれだけこっそり謎解きのための伏線を張れるか)ってとこなんだろう。

火を吐くドラゴンが出てきて追いかけ回された。びっくり。水中でも怖い人魚に追われて命からがら逃げた。びっくり。迷路を抜けたら夢と同じところにワープして、お約束のあの人が出てきた。わーおびっくり。そして、最後はいろんな謎が解けて「そうだったのか」とみんな納得(するものらしいけど、ぼくには「謎が解けた!」というカタルシスはあんまりなかった。いや、だって、30分前にちょこっと出てきた人が犯人でしたとか、そんなこと言われても正直「はぁ」って感じですよ)。

そんなわけで、ぼくはストーリーにのめり込むことはできなかったし、主人公たちに感情移入もできなかった。事件が次々に起きて物語はめまぐるしく展開していくけど、そこにはドラマがない。いや、実はドラマはあるのかもしれないけど、それ以外の要素が騒がしすぎて、ぼくには伝わってこなかった。結局のところ、ハリーは何のために戦ってるの? その動機は? 信念は? 苦悩は? 挫折は? その先にある成長は? そこらへんのドラマをきっちり描いてくれないと、このシリーズはおそらく単なる「豪華なエンターテイメント」で終わる、ような気がする。まあ、もともとは子ども向けの物語だから、それでもいいのだろうけど。

あと、細かいところで文句を言わせてもらうと、絵になりそうなアクションシーンは省略しないでほしい。後生だから。冒頭のクィディッチ・ワールドカップの試合とか、ハリー以外の選手がドラゴンと戦うシーンとか、すげーおもしろいことが始まりそうな雰囲気だったのにスッ飛ばされて肩透かしをくらった。放置プレイは勘弁してくれ。

以上、ハリポタファンの方、けなしてばっかりでごめんなさい。原作も読んでない部外者の書いたことですので、どうかご寛恕のほどを。

さて、と。そろそろ卒論に戻るか。

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コメント

違うんですよあれは本が長すぎるから映画にするとどうしても大事な伏線とかが抜け落ちてしまうんですよ(-_-;)決してつまらないわけではないんですよ本は~。
ちなみに最後のワープは最初の方で使った「ボードキー」ってのになってたんだよ!みたいな伏線ですw

投稿 noha | 2006.01.06 10:37

原作読者さまによる厳しいご指摘、ありがとうございますw

> 本が長すぎるから映画にするとどうしても大事な伏線とかが抜け落ちてしまうんですよ(-_-;)

ぬう。やはり原作が長すぎるせいでございますか。そこらへん上手く映画するにはどうしたらいいんでしょうねぇ。いっそ、昔の映画みたいにインターミッションを入れて4時間にするとか、いや、でもそうすると客の回転効率が悪くなるから、配給会社としてはあんまりやりたくないのか。そうすると、ちかごろ流行りの「DVDでは完全4時間版!」みたいにするしかないのかなー。DVDの売れ行きも上がりそうだし。

> ちなみに最後のワープは最初の方で使った「ボードキー」ってのになってたんだよ!みたいな伏線ですw

あ、いえ、それはわかったのですが、どうしてあんな危険なところにワープするように設定されていたのか、それを誰が設定したのかがよくわかりませんでした。やっぱり、ワープ先にいた悪い奴らのうち誰かが、ボードキーの転送先を変えておいたんですかね。理解力がなくてごめんなさい。

投稿 ぽれぽれ | 2006.01.07 00:53

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